茅の輪神事・大祓式


茅の輪くぐりの神事はスサノオの尊とこの地に住んでいた
蘇民将来の神話が起源となって行われるようになりました。

「備後風土記逸文」を基に絵本にしております



少し 先の こんもりとした 森の 中に
あかりが 見えました。
ちかづいて みると りっぱな 
やしきが ありました。
この里で 一番の 長者 巨旦将来の 
やしきでした。
「こんやは ここに とめて もらおう。」 
そう 思うと スサノオの命は そのやしきの 
中に はいっていきました。

「たびの とちゅうで 日が 暮れて こまっています。
 どうか 一晩の 宿を おねがいしたい。」
長い たびで やつれた 貧しそうな スサノオの命の
身なりに 目を やると そのやしきの あるじは 
「おまえみたいに みすぼらしい 身なりの  たびの者を とめる わけには いかない。
 森の むこうに 蘇民将来の 家が ある。
 そこへでも行って たのんで みるが いい。」
スサノオの命は しかたなく つかれた 足を
ひきずりながら 歩いて 行きました。
くらい 道を しばらく 歩いていくと そまつな つくりの 
蘇民将来の 家が ありました。

スサノオの命は わけを はなして おねがい しました。
すると 蘇民は
「それは おつかれで おこまりでしょう。 ごらんのように
 せまい ところですが どうぞ おあがり ください。」
そう言うと さっそく 粟の ごはんを たいて さしあげました。
スサノオの命は 心の こもった 温かい もてなしに 
たいそう よろこばれ その夜は 粟柄の ねどこで 
ぐっすりと お休みに なりました。 
つぎの日 スサノオの命は 蘇民に かんしゃをされ
たびを つづけられました。
それから スサノオの命は めでたく およめさんを 
みつけられ けっこん されました。
何年か たって スサノオの命は 子どもたちを つれて
たびに でかけられました。
そして また 蘇民の 家に たちよられました。
「この前は たいへん おせわに なりました。
 あの時は ほんとうに たすかりました。 あれから
 よめを もらって 子どもにも めぐまれましいた。」

「私も よめを もらって むすめが 生まれたので 
 今では 三人で くらしています。」

「私は アマテラス大神の 弟で スサノオの命と いいます。」
 ここにくる とちゅう とおくの 村では おそろしい やまいが
 はやって おりました。 そのうち この村にも やって 
 くるでしょう。 もし やまいが はやって きたら
 『蘇民将来の家』と かいた 紙を 入口に はりなさい。
そして 小さな 茅の輪を 作って こしに つけなさい。
そうすれば やまいに かかることは ありません。」
と お教えに なりました。しばらくして 蘇民の 村にも
おそろしい やまいが はやってきて 村人は やまいに たおれて
しまいました。蘇民は「茅の輪」の おかげで すくわれたことを よろこび 
スサノオの命の ふしぎな 力に ありがたく 感謝しました。
そのうち この地方では いつのころからか 『蘇民将来にの子孫の家」と
かいた お札を はり 『茅の輪」を かけて 悪い やまいに 
かからないように お祈り するように なりました。